副工場長のオフィス

ちなみに私は副工場長ではありません。

映画「プロフェシー」

結論から言うと、僕ホラーとサスペンスが好きなんです。

今回はリチャード・ギア主演で、実際のドキュメンタリーを原作にしたサスペンス作品をご紹介。

 

主人公は妻を亡くしたばかりの新聞記者。物語は妻が交通事故で怪我をし、のちに病院で亡くなるところから始まる。

2人が新居を探し住宅を見て回った帰り道、夜の雪道を妻の運転で帰宅しているところだった。突然妻が何かに驚き、激しくハンドルを切りスリップしてしまう。その時に妻はガラスに強く頭を打ち、病院に運ばれる。病院のベッドでめを覚ました妻はひどく動揺し警戒していた。

「…あれを見た…?」

そう囁き、それ以上何も話そうとしない。

検査をしたところ事故の怪我は軽傷と分かったのだが、その検査によって脳に腫瘍があることがわかった。非常に珍しく治療が難しい病で、余命が短いことを宣告されてしまう。事故の怪我とは全く関係のない病の発覚に主人公は戸惑う。

そして間も無くして妻は息を引き取ってしまうのだった。

 

妻を亡くした主人公は喪失感とは別に疑問を抱えていた。

検査をしなければ腫瘍に気づくことがなかったが、なぜかこのタイミングで事故に遭うという偶然。そして事故の直前に妻が見た何かの存在。

 

病院の部屋に残った妻の荷物を片付けている時に、主人公はノートの切れ端に殴り描きされた何枚もの絵を見つける。死の直前に妻が描いたものと思われる絵、そこには鳥のような悪魔のような、禍々しい黒い何かの姿が描かれていた。事故の直前に妻が目にしたものはこれなのだろうか。

 

喪失感と疑問を抱えたまま主人公は、夜のドライブに出かける。目的地もなくひたすら走り続け、全く知らない景色が広がる中をさらに走っていく。

民家も街灯も少なくなった真夜中の山道で、主人公の乗る車は突然動かなくなってしまった。立ち往生してしまった主人公は近くの民家の戸を叩き、電話を借りられないかと尋ねる。すると出てきた住人は突然銃を突きつけ、警察に通報すると言い出した。

「昨日も一昨日も同じ時間に電話を貸してくれと訪ねてきたじゃないか!間違いなくお前だった!言い逃れはできないぞ!」

そんなはずはない。主人公は昨日は自分の住む街にいたのだから。

ひとまず話し合いでその場から解放してもらうことができ、モーテルでその晩は過ごすことに。

そもそも道も分からず走り続けたので、フロントで現在地を尋ねた。するとその街は進んできた方向とは逆方向にあり、自宅から遥か遠く離れた場所にあった。物理的に、車で一晩走ってたどり着ける距離では決してなかったのだ。

 

主人公はこの街で過ごし、住人たちとやり取りを交わす中でさらに不可解な出来事が起きていることを知り、今まで認識することのなかった「存在」に気付き始め、妻が事故で見たものの手がかりを探るのだった。

 

先に言っておくと、この「存在」の正体は幽霊などではない。人間が想像することすらできない「何か」なのである。

例えば、微生物はおそらく人間を生物として認識することはできない。体の大きさがあまりに違うし、捕食関係にもなければ生態があまりに違いすぎる。

そう考えると、存在の仕方がかけ離れているという理由で人間が認識できないものもこの世に多くあるのかもしれない。

 

存在の定義、存在の証明、人間がこの世界で見えているものは意外にも少なく、その限定的な視界の中で生きているに過ぎないのかもしれない。