副工場長のオフィス

ちなみに私は副工場長ではありません。

映画「Godzilla: King of the Monsters」

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このブログを開設した当初は映画紹介の記事がメインでしたがしばらく遠のいておりました。

久しぶりの映画紹介です。

 

 

 

 

2014年公開「Godzilla」の続編、絶賛公開中のハリウッド大作であり、「モンスター・バース」シリーズの3作目である。

 

 

65年前に第1作が制作され、日本映画史に深く名を刻んだ怪獣映画「ゴジラ」。

時には原子力がもたらした代償として、あるいは地球環境に調和をもたらす救世主として、時代毎にその姿や立ち位置を変えながら描かれ続ける、世界的に有名な特撮映画界のアイコンである。

僕もゴジラ映画を観て育った世代だ。年に一度家族みんなで映画館の列に並び、キングギドラモスラデストロイアと戦うゴジラを幼い頃から観てきた。

映画館に並ぶ、という風景が今となっては非常に懐かしい。

 

 

 

1998年公開のハリウッド版ゴジラ1作目では、日本人の多くが「これはゴジラではない」と口を揃えたのだったが、2014年公開のハリウッド版「Godzilla」(以下、Godzilla1)はそのビジュアルと「ゴジラ映画」的ストーリー展開に唸らされた人が多かったのではないだろうか。

現代のフルCG表現によるリアルで躍動的な姿が新鮮でもあり、しかしその中に特撮ゴジラのどことなく人間的な所作や愛くるしさが感じられる。

勧善懲悪の構図を取りながらも、結局ゴジラが人間の味方なのか敵なのかはっきりわからない点も日本版ゴジラ的であると言える。

 

核兵器原子力に対する問題提起をしながらもその扱いが曖昧であった点、日本の場面の再現クオリティーの低さなどツッコミどころはあるにはあるが、「Godzilla1」の最大の良さは監督のゴジラ映画への愛が存分に伝わってくる点である。

 

 

 

「Godzilla1」についてはまた別の機会に詳しく書くとして、今回はその続編「Godzilla: King of the Monsters」の感想を書きたいと思う。

 

「Godzilla1」の監督ギャレス・エドワーズに代わり、今作では「X-MEN2」や「スーパーマンリターンズ」で脚本を手がけたマイケル・ドハティが監督を務めた。

前作の特徴はゴジラがなかなか本編に出てこない点である。長めにストーリーを展開させ、敵の怪獣が猛威を振るい始め、もうヤバイぞというタイミングまで溜めて溜めてゴジラドーーン!!という演出が非常に効果的であった。加えてゴジラの戦闘シーンも非常に少ない。怪獣の激闘を人間の視点からリアルに捉え、敢えてゴジラをあまり登場させないというのは見事な演出であった。

 

しかし今作では空気感が一変している。

映画が始まってすぐモスラの卵が孵る。ゴジラもすぐに登場し、続いてキングギドラが目覚め、すぐさま怪獣同士の大迫力の取っ組み合いが始まる。全体を通して非常にテンポ良く、戦闘シーンがとても多い。惜しみなく怪獣たちがドンパチやり始め、世界各地をぶっ壊すので爽快感がある。

今回はネタバレしたくないので細かな内容やストーリーを書くことは避けるが、本当に気持ちのいい「怪獣映画」であった。

 

そしてなんと言っても今作の監督も前作同様大のゴジラ映画ファンであり、ゴジラ映画へのリスペクトがビリビリと伝わってくるのが、同じゴジラ映画好きにとってはとても嬉しかった。怪獣たちの設定や映画を構成する要素に日本のゴジラシリーズへのオマージュがたくさん詰まっていた。

特にモスラゴジラ映画を語る上で欠かせない怪獣であるが、実のところ僕はゴジラよりもモスラが大好きである。

詳しくは書けないが、日本のモスラに付随するお馴染みの要素がマイケル・ドハティ監督のオリジナリティーを交えながら見事に描かれていた。

そしてモスラがものすごく美しい。繭から羽化するシーン、巨大な羽根を広げながら光を放ち神々しく飛来する姿、それに怪獣たちの中でのモスラの立ち位置が素晴らしい。接近した時のビジュアルや攻撃方法は原作より昆虫感がグッと増してやや気持ち悪いのだがそれもギャップ萌えである。モスラのシーンになる度に何度も泣きそうになるほど、今作ではモスラに驚嘆させられた。

 

キングギドララドンも過去に無い完成度の高さであった。フルCGによって動物的躍動感が加わり怪獣として非常にカッコよかったし、めちゃくちゃ怖かった。キングギドラは日本ゴジラシリーズでの描かれ方と比べ物にならないほど強いし、本当にめちゃくちゃ怖い。小さな子供は確実に映画館で泣き叫ぶだろう。あんなのが襲来したら殺される前にショック死してしまいそうだ。

 

 

 

「モンスター・バース」シリーズの次回作は「Godzilla vs Kong」と発表されており、キングコングとの戦いを描くらしい。

2017年に公開された、シリーズ2作目の「キングコング:髑髏島の巨神」も非常に正統派な怪獣映画で僕は好きなのだが、ゴジラシリーズの映画であることを全く知らずに映画館に観に行き、エンドクレジット後のおまけ映像でそれが判明して度肝を抜かれた。

この二体が戦うということはどちらかがヒール役に回るのだろうか、ん〜正直戦わないでほしい。

が、どのような内容になるのか非常に楽しみである。