副工場長のオフィス

ちなみに私は副工場長ではありません。

(ネタバレ注意)映画「テラビシアにかける橋」①

今回はちょっとテイストを変えてファンタジー映画のご紹介。

2008年日本公開、2人の小学生の瑞々しい子供心とその成長を描いたヒューマンファンタジー作品。

 

今回は僕なりの内容分析です。

ネタバレしまくるので、これからこの映画をご覧になりたい方は注意です。

 

 

 

バージニア州の田舎町に両親と女姉妹と暮らすジェスは孤独を感じていた。姉弟の真ん中でありながら長男でもあるので親からなかなか可愛がってもらえず、自立を求められ、また学校ではいじめられている。

彼の唯一の楽しみは絵を描くことだった。空想の世界や生き物たちをスケッチブックに描くことで、日常を忘れることができた。

 

そんな中、同じクラスに一風変わった女の子レスリーが転校してくる。彼女は家も隣で、クラスに馴染めない者同士すぐに仲良くなった。

 

放課後、ジェスとレスリーは近所の森を流れる小川の脇に一本のロープが垂れ下がっているのを見つける。おそらく向こう岸に渡るためのもので、2人はロープを使って川を渡り森の奥を散策する。すると木の上に朽ち果てたツリーハウスがあった。2人はそこを気に入り、2人の城に見立てて遊んだ。そして川を渡ったこの森を「テラビシア」と名付けた。

レスリーは空想上手だった。何の変哲もないものが彼女の想像力にかかればファンタジーの世界の入り口になってしまう。

「心の目を開くことが大切なの。」

レスリーの想像力にジェスも感化され、2人は森の隠れ家で空想遊びに没頭した。

毎日のようにこの空想の王国テラビシアで冒険する中で、2人は徐々に変わっていく。架空の珍獣や巨人と戦っていくことで学校のいじめっ子たちに立ち向かう勇気を身につけ、前向きに日常生活を送るようになっていくのだ。

ジェスとレスリーはますます仲良くなり、放課後には川の向こうのテラビシアで過ごす。2人にとってお互いの存在が、そしてこの場所が唯一無二のものになっていった。

 

しかしある日、レスリーが死んでしまう。

 

突然の事故だった。

休日、ジェスが学校の先生に誘われ美術館に行っている間に、一人でテラビシアに向かったレスリーはいつものようにロープを使って川を渡ろうとした。しかし老朽化していたロープが切れ、川に落ちて溺れてしまったのだ。

美術館から戻ったジェスはその突然の知らせを聞かされ、全く受け入れられなかった。毎日のように笑い合い励まし合ったレスリーが突然いなくなり、状況が理解できずにいた。今はレスリーがいないだけだ、本当はどこかに隠れているだけだ、と。

しかし日が経つにつれ、日常からレスリーの存在が完全に消えてしまったことに気付き始める。一緒に遊んだ親友は死んでしまった。そして川の向こうのテラビシアからはキラキラした空想の城や怪物退治の冒険物語が消え去り、ただの森になってしまった。

 

切れてしまったロープの代わりに、倒木が橋のように川の上に渡されていた。ジェスはもぬけの殻になったテラビシアで、レスリーの面影を探す。すると川のほうでジェスを呼ぶ声がした。レスリーの声に聞こえて駆けつけたが、そこにいたのは妹のメイベルだった。倒木の橋を渡ろうとして、真ん中で動けなくなってしまっていたのだ。

妹を向こう岸に戻すが、妹は以前からジェスとレスリーの遊び場に興味津々だった。自分も川の向こうに行きたいと言うが、レスリーと自分だけの居場所だったこの森に妹が足を踏み入れることが許せないジェスは、再び橋を渡ろうとする妹を突き飛ばして拒否してしまう。

 

テラビシアもレスリーも、かけがえのないもの全てが無くなってしまったと嘆くジェス。そこへ父親が、「レスリーがもたらしてくれたことがたくさんあるだろ、それを大事に思っていれば彼女は生き続ける。」そう言って慰める。

その言葉を信じ、ジェスはレスリーの死を受け入れることにするのだった。

そしてジェスは思い立ち、レスリーの両親が引っ越した後に庭に残された木材を川に運び始めた。

 

ジェスはまだ自分に腹を立てている妹に、「お姫様になれる場所があるんだ。」と、あの川に連れて行く。

ジェスに手を引かれてたどり着いた川には、木製の橋が架かっていた。それはジェスがやっとの思いで完成させた、頑丈で立派な橋だった。

ジェスは枝で作った冠を妹にかぶせ、橋を渡りテラビシアに招き入れる。

「テラビシアに住む人たちはどこ?何も見えないよ。」

「心の目を開くことが大切なのさ。」

 

 

長くなりそうなので、今回はあらすじ紹介に留めておこうと思います。

次回はこの映画の僕なりの内容分析をお伝えできればと思うので 、またご覧いただければ幸いです。