副工場長のオフィス

ちなみに私は副工場長ではありません。

デッサン「球体」解説

 

 

今回は、前回投稿した球体の鉛筆デッサンの描き方を解説したいと思います。

 

絵が上手くなりたいリアルなデッサンを描いてみたいという人は、まずは球体から描いてみましょう。

 

前回の記事

デッサン「球体」 - 副工場長のオフィス

 

 

 

目次

 

 

 

 

1.光と陰影

 

立体表現に必要不可欠なのは陰影

立体物にできる陰影を正しく描くことでリアルなデッサンが出来上がります。

 

そして陰影ができるのに必要なのは

まずは光の仕組みを理解するところから始めましょう。

 

 

空気中では光はまっすぐ進む。

理科の授業でそんなことを学びましたよね?

まっすぐ進んだ光が物体に当たると、そこで光は遮られます。これにより、光が当たる部分と当たらない部分ができる、これが陰影ができる仕組みです。

 

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(手描きの解説ですみません…)

 

 

 

2.光源を明確に設定する

 

物体の形によって陰影の形も異なります。丸いもの、四角いもの、凹凸のあるもの、無いもの。立体の特徴によって陰影のつき方にも特徴が出るのです。逆に言うと、陰影の特徴を正確に描けば、その物体の立体感がリアルになるということです。

 

この時にひとつ条件があります。

それは光源を1つに絞ること。つまり物体を照らすライトは1つだけにするということです。

 

 

 

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図のように、1つのライトで照らす場合は、ライトの逆側に陰影ができます。

 

 

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しかし2つのライトで左右から光を当てると、陰影ができなくなってしまいます。これでは立体的なデッサンは描けません。

 

デッサンを描くときには必ず、あらかじめ光源を1つに絞り、光を当てる方向を定めます。

 

 

 

3.球体の陰影の形

 

次に球体の陰影の特徴についてです。

球体の構造はシンプルで、どの部分も全く同じ曲面になっています。したがって陰影もシンプルで規則正しい形になります。

 

月の満ち欠けを思い出すとわかるように、光と陰の境界線は月の曲面に沿うように綺麗な曲線になっています。

 

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図にするとこんな具合。

陰のラインが曲面に沿う形になります。

 

この時のポイントは、光源のある方向陰のライン直角の関係にあるということ。

これは球体に限った話で、違う形の立体物だとまた違った法則を持っています。

 

 

 

4.反射光を取り入れる

 

地球上で見られる光は大きく分けて2種類あります。

それは直射光反射光

今まで説明した、太陽やライトから直接当たる光が直射光ですが、光は物体に当たると反射します。その反射した光を反射光と呼びます。

光は当然、物体以外の周りの物にも当たります。例えば物体が置かれている床や周囲の壁にも同じ光が当たっています。すると床や壁に当たった光が反射し、直射光よりも微弱ではありますが様々な方向に光を放ちます。

 

 

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図のように、球体の周囲の床に当たった光が反射し、下や横方向から球体を照らし返します

この反射光を取り入れて描くことで、物体の立体感が一気に増します

 

 

 

5.宇宙空間では反射光が発生しにくい

 

先ほど、地球上での光という言葉が出てきましたが、宇宙では太陽からの直射光は発生しますが、反射光はほとんど確認できません。何故なら、周りに光を照らし返す物体がほとんど無いからです。月の欠けている部分が真っ黒に見えるのはこういう理由。欠けている陰の部分が真っ黒になることで、月はとても平面的な形に見えています。

もし、月の隣に巨大な壁があったら、真っ黒だった部分に反射光が当たり月が立体的に見えるでしょう。

 

つまり、立体感を出すのに反射光は必要不可欠なのです。

 

 

 

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このようにして立体表現が成り立っていきます。

今回は基本のさわりの部分のみの紹介でしたが、今後の解説ではより専門的な知識や鉛筆の使い方なども紹介していきたいと思います。

 

次は立方体の描き方かなぁ、

それでは次回も何卒。