デッサン「立方体」解説
前回投稿した立方体の描き方解説です。
前回の記事はこちら
目次
3つの面を描く
箱状の形を描く場合は、上面、右側面、左側面の3つの面を描くと立体感が表しやすいという法則があります。
図のように、2面のみが見える角度からより3面が見える角度から描いたものが立体的に見えますよね?
パースとは?
空間や立体感を描く上で必ず意識すべきなのが、パース(正式にはパースペクティブ)という遠近法の一種です。
特に箱状の形にはパースの法則が如実に表れるので、この法則を間違ってしまうとリアルなデッサンにはなりません。
パースを端的に説明すると、近くの物は大きく見え、遠くのものは小さく見えるという常識に基づく図法です。
図のように、立方体の並行関係にある線を延長すると、線同士の間隔は狭まっていきます。遠くに離れれば離れるほど線同士の間隔は小さくなります。これがパースの法則です。
光の方向と陰の付き方
お手本のデッサンは左上の方向から光が当たっている設定で描いています。
すると、それぞれ3つの面に付く陰影が変わります。
上の面が1番明るく、左側面が2番目に明るく、右側面が1番暗い。この3色に分けると立方体の立体感が分かりやすくなります。
遠近感と鉛筆づかい
ここまでで立方体を3つの面で捉えてきましたが、それぞれの面の中にも手前と奥が存在しています。
立方体の中央にある角が1番手前に出っ張っている部分で、左右や上面に向かって遠ざかっていきます。
図では角の距離関係を表してみました。
陰影は基本的に4Bや3Bの、芯が柔らかい鉛筆で描きましたが、遠くに離れている部分はその上からHや2Hなどの芯の硬い鉛筆で描き込むと遠くに離れていく印象が再現できます。
こうして立体的な立方体が出来上がります。
大切なのは遠近感と光の方向。
これがしっかり意識できればどんな物でも立体的に描くことができるのです。
次は更に複雑な形のモチーフを描いてみようと思います。
それでは次回も何卒。