副工場長のオフィス

ちなみに私は副工場長ではありません。

雨の日に聴く曲③

 

 

 

今週のお題は変わってしまいましたが、引き続き雨の日に聴く曲のご紹介をいたします。

今回はUKロックバンドで揃えてみました。

 

以前の記事

雨の日に聴く曲① - 副工場長のオフィス

雨の日に聴く曲② - 副工場長のオフィス

 

 

 

 

Thirteen Senses / Gone

 

2005年リリースの彼らのファーストアルバム「The Invitation」に収録された楽曲。高校2年生の悶々とした時期にたまたまCDショップで視聴して惚れ込んだ1枚。

収録曲のほとんどがマイナーコードで、物悲しいバラードの数々で構成されている。作詞作曲はボーカルのウィルが担当しており、それまでの人生の半分ほどを費やし書きためた楽曲を厳選してファーストアルバムが作られたそう。

幼少期からマイナーコードの曲が好きだった僕にとってはたまらないアルバムだった。

1曲目から泣かせにくるような選曲になっており、イギリスならではの透明感がメロディーにも演奏にも歌声にも表れている。

高校生なりに、人間関係や自分へのコンプレックスなど日々の鬱憤に苛まれていた時期が誰にもあったことと思う。その当時のメンタリティーにすっと馴染む浸透圧と優しさと悲しさが詰め込まれた楽曲群なのだ。

Gone」という曲はその中の3拍子のバラードで、アルバム内では比較的存在感の薄い曲である。しかしこれがまた絶妙に物悲しく雨模様の心情にピタッとくるのだ。3拍子というのは自分にとっては雨のリズムなのかもしれない。

 

 

 

 

TRAVIS / Somewhere Else

 

2003年リリースのアルバム「12 Memories」に収録されている曲。

TRAVISといえば僕の大好きなRadioheadとともに90年代のUKロックを牽引したうちの1組ともいえるバンドである。僕が初めて聴いたのがこの「12 Memories」というアルバムで、これもTSUTAYAのCDレンタルでたまたま視聴したのが出会いだった。キャッチーでメロディアスな楽曲が彼らの特徴なのだが、それ以前のオリジナルアルバムとは一線を画すほどになんとも寂しいメロディーに満ち溢れた1枚だと感じ、即レンタルし聴き込んだ。

 

その当時は高校3年生の冬、最初の大学受験の時期であった。

大学受験の厳しさをなんとなく肌に感じていた時期に出会ったため、かなりシリアスな印象がこのアルバムの一曲一曲に刷り込まれている。

経験不足ゆえに予備校での制作が思うように成長しない日々を過ごし、私大受験で惨敗を期したことでさらに自信を無くしていった。

第一志望の一次をたまたま運良く通過し、続く二次試験の結果発表の会場で自分の番号がないのを確認し、この曲を聴きながら予備校に帰った。したがって、この曲は自分の甘さを思い知らしめた曲としてインプットされたのだった。

 

思い出の曲がネガティブで物寂しいものばかりというのはなんとなく虚しさを催すが、その虚しさこそが雨天の心情に近しいものなのだろう。

この「Somewhere Else」は伴奏の鉄琴(?)が雨音を思わせ、そこまで暗い曲調でもないがいつまでも晴れ間の見えなさそうなどんより具合が印象的で、このアルバム内でも特に雨の日のリピート率が高いのだ。