副工場長のオフィス

ちなみに私は副工場長ではありません。

美大受験②

 

 

 

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今回は僕が美大受験をしていた、浪人時代のお話。

 

パート1はこちら

http://rileyy.hatenablog.com/entry/2018/04/23/214201

 

 

 

僕は高校3年生、一浪、二浪と、予備校に3年間通いました

東京の繁華街にひっそりと佇む美大受験予備校と家との往復の日々でした。

 

一般大学の受験をした経験がないので詳しいことはわかりませんが、美大受験の浪人生は基本的に朝から夜まで延々と絵を描き続けます

一度やってみるとわかるのですが、朝から晩まで集中力を切らさずに絵を描き続けるというのは非常に体力を要します。それも毎日毎日描いて、描き上げたものを講師に講評してもらい、ダメ出しを食らい、翌日また次の絵を描く。勉強というより完全に修行です。

 

講師たちも美大受験での浪人を経験しているので、その厳しさを熟知しているだけにそう易々とは褒めてくれません

それに僕の居た科には正解が存在しないので、何枚描いても酷評を食らい、改善策もわからずまた描き続けるという時期もありました。

 

 

 

一般大受験生との大きな違いは、予習の形が大きく異なるという点ではないでしょうか。

絵の勉強にも予習が必要です。しかし僕の科は先ほど言ったように答えがないので、教科書を見て予習というわけにはいかないのです。

僕らにとっての予習は、日常生活の中からふとした感動を得ることです。

受験生とは言えど表現者でなければならないので、表現の素が必要なのです。

 

朝の電車の車窓から見える広告塔、薄汚れた壁と選挙ポスターのコントラスト、治りかけのカサブタの質感、日没直後の空の色。

日々の中には制作のヒントやきっかけが無数に散らばっており、自分のアンテナで見極めてインプットする。それが僕らにとっての予習でした。

 

予備校からの帰り道に、特に目的もなく町を歩き回りました。どこかに自分のヒントになる物や出来事が潜んでいるのではないかと。見つけようと思っているとなかなか見つからないものですが。

 

同い年の浪人生や年下が自分より先に合格するという経験も沢山しました。

しかしその当時は悔しかったのですが、今思うとそんなことはどうでもいいと思えるようになりました。

あくまで受験も大学も通過点。その期間を各々がどんな形で過ごしたかということ以外には差はないのです。

 

 

自分と同じように3年という長い期間、一喜一憂を共に味わった予備校仲間とも、もはややり取りは無くなりました。それは付き合い下手な僕の性格の問題かも知れませんが、あれだけ近くで同じ時間を共有した仲であっても、受験が終わってしばらく経つと何となく通過し風化してしまう、そういう性質のものなのかも知れません。

 

 

 

久々に声をかけてみようか。

予備校生活が終わって10年。お互いに当時の恥ずかしエピソードなんかを握り合っているので、飲めば相当盛り上がるに違いないです。

 

 

 

画像は2浪の時の石膏デッサンの一部分

形態が狂っているので首から下はお見せできません。(笑)